2023.12.15

豆大福育の児日誌 その10

12月になり、徐々に寒くなってきた今日この頃。暑さに弱いフレンチブルドッグの豆大福にとっては、気温を気にせずお散歩できるいい季節となりました。

豆大福は、落ちている枝を咥えながらご機嫌に散歩をしています。

散歩をしていると、洋服を着ている子、着ていない子、様々ですがそもそも犬に服は必要なのでしょうか?
今日は犬と寒さについてお話ししたいと思います。

 

犬たちがどれくらいの気温で寒がるかどうかは、個体差があります。毛質、毛色、体の大きさ、肥満度など、さまざまな要因が影響します。

毛質

犬たちの毛質は大きく分けると、表面を覆っているコシのあるオーバーコートと内側にあるふわふわとしたアンダーコートの2つあります。この両方を持つものは「ダブルコート」、オーバーコートのみ持つものを「シングルコート」と呼びます。
柴犬やチワワ、ゴールデン・レトリーバーなどはダブルコートであり、トイ・プードルやミニチュア・シュナウザー、ヨークシャーテリアなどはシングルコートに属します。
ダブルコートの犬は、アンダーコートにより保温性がいいことから、シングルコートの犬と比べると寒さに強い傾向があります。
余談ですが、フレンチブルドッグは、ダブルコートと言われていたり、シングルコートと言われていたりします。しかし、多くのフレブルはシングルコートですが、一部のブリンドルのフレブルはダブルコートのことがあるようです。うちの豆大福もシングルコートです。

 

    毛色

    毛色が黒色や茶色などのダークカラーの場合、太陽から放射される熱を吸収することから、薄い毛色の犬よりも保温性がいいと言われています。

     

    体の大きさ

    犬はパンティングをすることで体温を下げることは有名ですが、それ以外にも体表から熱が喪失します。そのため、体表面積/体の大きさの比率が大きい小型犬のほうが大型犬よりも体温の喪失が大きいと言われています。また、皮下脂肪は断熱材としての役割があることから、太り気味の犬のほうが寒さには強い傾向があります。

     

    その他

    子犬や高齢犬は体温管理が苦手です。また、甲状腺機能低下症など病気をもっている場合も低体温になりやすくなることがあることから体温管理が必要となります。

     

    さまざまな要因により影響をうけることから、犬種や体格、散歩時間、天気などによって犬たちの体感温度は変わります。また、近頃は室内で飼われている犬たちも増え、冷暖房のおかげで一年を通して温度差があまりない環境で過ごしていると、十分に換毛できないこともあります。

     

    そのため、シングルコートの小型犬、子犬あるいは高齢犬、ダブルコートでもアンダーコートの少ない犬、など寒さに弱い要因が多くみられるわんちゃんには散歩時に洋服を着せるなどの防寒対策はしっかりしてあげましょう!

     

     獣医師 中川恭子

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