2023.09.08

猫のはなし

【猫のトイレ事情】

イエネコの祖先は、砂漠地帯で暮らすリビアヤマネコです。

水が貴重な砂漠地帯で生活していた名残で、貴重な水分を大切に使えるような体の仕組みによって尿を濃縮するため、腎臓に負担がかかりやすい傾向にあります。 そんな健康上の理由やトイレにこだわりを持っている猫が多くいることからも、猫のトイレ事情はなかなか奥深いものです。理想的なトイレ環境についてお伝えします。

先ずはcheck!

トイレに不満がある時によくみられの行動

①排泄物を隠す行動をしないですぐに立ち去る

②トイレの淵や近くの壁・床をひっかく

③トイレの淵に乗っかって用を足す

④トイレの滞在時間が少ない


一見、自分の足を汚さない清潔な行動とも見え、バランスを取りながら排泄するユーモラスな姿に飼主が満足していて、猫がトイレに不満があることに気付いてない場合がありそうです。

野外での排泄


猫の理想的な排泄の様子ですが、

トイレに入りニオイを嗅ぐ→排泄場所を掻き(掘る)その場所に排泄→排泄物のニオイを嗅ぎ、砂をかけて隠す→ゆっくりと立ち去る

当然、個体差はありますが、比較的時間をかけた行動がみられている場合には現状のトイレには満足していると言えるでしょう。

一方、トイレ環境に不満がある状況では、排泄を我慢して膀胱炎を起こしたり、トイレ以外で排泄したりとストレスが原因で問題につながることが懸念されます。

では、本題の理想的なトイレ環境について提案します!

大きさ

ゆったりと方向転換できる大きさを選びましょう。

目安としては猫の体長(首元~尾の付け根まで長さ)の1.5倍以上が理想。

   

深さ

猫が掘っても底が見えないくらい猫砂などの素材をたっぷり入れられる深さ。


形状

実は広く開放的な広場や砂場のような場所を好む傾向にあるので、カバーはない方がおススメです。


設置場所

人目を盗んで排泄するような習性はないので、リビングの片隅などで、猫の頭数+1か所以上で用意しましょう。

短頭飼育でも2つは必要です。


排泄状態や回数などは健康のバロメーターです。

猫の満足度と飼主の利便性などをバランスよく管理できるのが理想です。

トイレへの不満サインをチェックして、できそうなことがあればぜひ改善してあげてください。

動物臨床看護士/ペットドックトレーナー 山崎宏子

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