2023.06.30

犬とのくらし5

日常生活でのペット臭

湿度が高くなる梅雨時は、ペット臭も強く感じてしまいがちです。来客時はもちろん、外出時にも洋服やカバンなどにニオイ移りしているなんてことも!?ニオイは慣れてしまうと自分では気づかないことなので、いつもより意識してケアしましょう。

■ニオイの原因とケア

動物にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺があります。エックリン汗腺は、水状の汗を産生・分泌します。

人は・・・

この汗腺が全身に発達しているため全身に汗をかくことで体温調整をしています。一方のアポクリン腺は、タンパク質・脂質・アンモニアなどが含まれ、やや粘液性です。脇の下など身体の一部でのみ分泌されます。このアポクリン腺から分泌される汗に皮脂や角質、被毛、常在菌などと結びつき酸化・分解されて体臭の元になります。

犬や猫では・・・

エクリン汗腺は肉球や鼻の頭付近などに身体のごく一部しか存在せず、代わりに、アポクリン汗腺が全身に発達しています。人とは逆なので全身汗まみれになることはなく、鼻が濡れたり、緊張して肉球に汗をかいたりします。体温調整機能としては不十分なので、犬は口を大きく開けて喘ぐ(ハアハアする)、猫ではセルフグルーミングをすることで体温調整を補助しているのです。エクリン汗腺からの分泌物は水様でサラサラしているので無臭、体臭のもとになるのはアポクリン汗腺からの白い粘調性の分泌物ですが、個体識別やその時の気持ちを伝達するコミュニケーションの役割もあると考えられています。

犬に比べて猫の体臭が気にならないのは、ざらざらした舌でいつも毛繕いをしているので、アポクリン腺からの分泌物を除去できているので、菌と結びつくことが少ないからです。猫は待ち伏せ型の狩りをするので上手く隠れるためにはニオイを抑えることが重要なのでしょう。

■対策

ニオイのもとは菌の増殖です。体臭予防には、ブラッシングとシャンプーをして清潔に保つことが効果的です。ブラッシングでしっかりと古い毛と皮脂・角質を取り除いてからシャンプーをしましょう。

シャンプーのあとはよく乾かして下さい。濡れたままや生乾きのジメジメした状況は菌が大好きな環境を作り出すことになってしまいます。ドライヤーを使ってしっかり乾かして、最後は冷風をあてて湿気を飛ばしましょう。

体臭は犬や猫にはコミュニケーションの手段の意味もあるので香りの強いシャンプーやスプレーで抑えようとするのはストレスになりますから注意しましょう。

動物臨床看護士/ペットドックトレーナー 山﨑宏子

豆大福の育児日誌 一覧へ戻る