2024.06.14
中毒⑪

卵は、昔から栄養価の高い食品として知られています。
近年では完全栄養食とも言われており、皮膚や抗体などを作るのに欠かせない栄養素であるタンパク質が豊富に含まれています。
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しかし、メリットしかないと思いがちの卵ですが、犬に与える際、生で与えると食中毒を引き起こす可能性があります。
また、タンパク質が豊富に含まれてるため、アレルゲンになる可能性もあります。離乳期や成長期の子犬には卵を与えるのは避けた方いいでしょう。
卵を与える際の注意点
- アビシン
中毒症状:皮膚炎、成長不良
アビシンとは、卵白に含まれるタンパクの一種です。このアビシンを多量に摂取すると、皮膚炎や
成長不良を引き起こす可能性があります。
そのため、生卵を与える際は、卵黄だけを与えるようにしましょう。
また、アビシンは加熱に弱いため、卵の白身を与える時は加熱調理をしたものを与えましょう。
- 食物アレルギー
食物アレルギーは、アレルゲンとなる物質(主にタンパク質)に免疫機能が過剰に反応することを
いい、人では、0歳児の食物アレルギーの原因となる食べ物の中で最も多いのが鶏卵といわれてい
ます。
犬でも人同様に卵アレルギーがあるので、成犬であっても、体質的に鶏肉アレルギーがある場合は
アレルギー症状が出る可能性が高いといわれています。
中毒とは少し違いますが、この場合は卵を与えないようにするのがいいでしょう。
卵は、すべての犬に毒というわけではありませんが、与える場合には注意が必要となります。犬の健康状態をしっかり確認して、正しい調理法で与えるようにしましょう。
動物臨床看護師 高田翼