2023.07.07

中毒⑤

症状、対処法編

前回は、中毒を起こす食品や飲料をご説明しましたが、それぞれどんな症状が出てどんな対処をすればいいかご存じでしょうか。
今回はそれぞれの症状等を詳しくお話ししていきます。

危険度が高い食べ物

①ネギ類(たまねぎ、長ネギ、にんにく、ニラ等)

ネギ類には、「アリルプロピルジスルフィド」という香味成分が含まれています。
この成分が、赤血球を壊してしまうことにより、貧血が起こります。また、症状が進むと死に至る場合もあります。

たまねぎは約1/4程度、長ねぎは1/3本、らっきょうは約1粒食べると症状がでるといわれますが、個体によってはこれより少ない量で症状が出ることもあれば、出ないこともあります。
食べると危険度が高い為、必ず食べてしまった場合は病院に連れて行きましょう。
食べた種類、量などもわかれば獣医師に伝えるようにしましょう。

②チョコレート
チョコレートは、カカオに含まれる「テオブロミン」という成分が中毒症状を起こします。
初期症状では、下痢や嘔吐などが見られ、症状がすすむと震えや痙攣がおこり、最悪の場合死に至ります。

チョコレートには、カカオ成分が高いブラックチョコレートからホワイトチョコレートまでありますが、カカオ成分が高いものは体重1㎏あたり5g摂取するだけでも症状が現れます。
また、ホワイトチョコレートにも、主成分としてカカオ豆に含まれる油脂分であるココアバターを使用しているため、大量に摂取すると中毒症状が出ます。

チョコレートを食べてしまった場合は、必ず病院に連れて行きましょう。
また、病院に行く際はチョコレートの成分が分かるようにパッケージを持って行きましょう。
いつ頃食べたのか、どのくらい食べたのかも必ず獣医師に伝えるようにしましょう。

今回は、ネギ類とチョコレートのお話をしましたが、食べてしまったからと言って焦ってはいけません。
なお、ネットで「塩を飲ませて吐かせましょう!」などと記載されているものもありますが、自宅で吐かせる行為は絶対にしないようにしましょう。

必ず病院で診療を受けるようにしてください。
そのためには、かかりつけの病院を決めておくこと、夜間救急をやっている病院を見つけっておくことも大事です。

次回も引き続き、危険度が高い食べ物からお話ししていきたいと思います。

動物臨床看護士
高田 翼

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