2024.02.09

タンパク質 ~吸収と摂取量~

食事から摂取したたんぱく質は、胃で分解され、膵臓や小腸から分泌された酵素によってアミノ酸となり、腸から吸収されます。
そして、吸収されたアミノ酸は、肝臓をはじめ体内のさまざまな組織により新たなたんぱく質になります。

このように、体の組織や免疫機能の基になるたんぱく質ですが、使用する量より多く摂取した場合はエネルギー源としても使われます。
しかし、さらに余ったものは体内に蓄積され、肝臓で尿素や窒素性廃棄物に転換され、腎臓から尿として排出されます。

では、過剰に摂取するとどのような症状が現れるのでしょうか。
健康な犬猫では大きな問題はないのですが、腎臓機能が低下している場合は、体内に蓄積された窒素性廃棄物が尿として排出することができず、体内で増え続けていき支障をきたします。
また、タンパクの基となる肉にはリンが多く含まれており、腎臓の機能が低下した犬猫には過剰なリンの接種が腎臓病を悪化させてしまいます。

しかし、ガンを患っている場合は、ガンの栄養源は炭水化物から合成されるブドウ糖ですので、ガンになった場合は、エネルギーをたんぱく質と脂質から摂取しなければいけない為、多めにに摂らなければいけない場合もあります。

タンパク質は、以前もお話ししたように皮膚や爪軟骨などの身体の組織を作る働きをしていますが、不足すると、被毛のパサつきや筋肉の衰え、貧血、発育不良などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

このようにタンパク質は、病気や病態によって量の調整をしなければいけません。
そのためには、健康チェックは毎年行い大切な家族の健康を守りましょう。

動物臨床動物看護師 高田翼

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