2024.05.10
豆大福の育児日誌 その13

前回に引き続き、今回もペットとの睡眠についてお話ししたいと思います。
前回は、ペットと寝ることで得られるメリットについてお話しさせていただきました。
一緒に寝ることで得られるメリットはたくさんありますが、決していいことだけではないのも事実です。
一緒に寝ることが勧められない場合
あるリサーチでは、ペットと一緒に同じ寝室で寝ることはいいことですが、人の睡眠の妨げになることもあるという結果もあります。
そのため、すべてのペットが人と一緒に寝ることが推奨されているわけではありません。
以下の場合は、一緒に寝るのは避けた方がいいでしょう。
- ペットのしつけが不十分で、家具や人を噛んでしまう場合
- 重度のアレルギーを持っている人
- 眠りが浅い人
- ペットを迎え入れたばかりの場合、また新しくペットを迎え入れた場合
- ペットや飼い主が病気の場合
豆大福を迎えた時も、生後7ヶ月くらいまでは寝る時はケージに入れていましたが、噛み癖が落ち着いたころから一緒に寝るようにしていました。また、子犬はまだ体も小さいのでうっかり踏んでしまったり、ベッドから落下したりと事故に繋がる可能性もあります。また、最初から一緒に寝てしまうと、飼い主と離れるとペットが眠れなくなってしまう可能性もあることから、お家に迎え入れてすぐに一緒に寝始めるのは避けた方がいいですね。
一緒に寝る際に気をつけること
これまでお話ししてきたように、一緒に寝ることはさまざまなメリットやデメリットがあります。ペットとお互いに心地いい時間をともに過ごすためには、気をつけないといけないこともあるんです。
1.環境を整える
人も犬も、寝ている時でも寝返りをしたり場所を移動したりすることが必要です。そのためには、ある一定の広さの布団もしくはマットレスが必要となります。ペットや人の大きさにもよりますが、シングルベッドでは少し狭く、どちらかがベッドから落ちてしまうかもしれません。
そのため、一緒に心地よい眠りにつくには、少し大きめのベッドや布団を準備することをおすすめいたします。また、好きな時にベッドから降りられるようにスロープを準備したり、寝室内にトイレや水の入った器を置いてあげたりしましょう。もし、室内でトイレをしないペットの場合は、寝る前と起床後に外に出してあげ、排泄ができるように心がけましょう。
2.寝具を清潔に保つ
ペットの毛や足裏にはさまざまアレルゲンや汚れ、細菌、寄生虫などの感染源が付着しています。そのため、私たちやペットの健康のためにも、一緒にベッドで寝るのであれば寝具はこまめに洗濯して清潔に保ちましょう。
3.ペットの予防をしっかり行う
ペットの健康管理として、みなさんは外部寄生虫の予防、ワクチン接種は行っていますか?
毎年のルーティーンで実施していただいている方は多いと思いますが、これらの予防はとても重要です。とくにベッドで一緒に寝るのであれば、ノミ、マダニの予防はしっかり行いましょう。また、近頃では都会でも街中でたぬきなどの野生動物を見かけることが増えてきました。そのため、ノミ、マダニはもちろんですが疥癬(イヌセンコウヒゼンダニ)にも注意が必要です。疥癬は人の皮膚では繁殖できないので、人に留まることはありませんが、感染すると非常に痒いです。獣医師という職業柄、疥癬に感染したペットと接触したことがあり、その時に疥癬に感染したことがありますが、人生で一番痒かったです。寝てても痒くて起きるほどでした。みなさん、お気をつけくださいね。
4.無理強いをしない
一緒に寝るときに際して、私たちだけの心地良さや願望を考えるのではなく、ペットの心地良さや希望も考慮しなければなりません。寝室の環境によってはペットが好ましくない環境であることもあります。また、ペットもそれぞれ性格があります。常に誰かといることを切望する子もいれば、一人の時間を大切にする子もいます。そのため、自分のケージやベッドにこもって出てこない場合は、一人になりたいという合図でもあるので、そういった時はそっとしてあげるようにしましょう。
お仕事や家事に追われていると、ペットと関わる時間を確保することが難しいこともあります。寝る時間をともに過ごすことで、ペットとの関係性を深めることもできます。
よりよりペットライフを過ごすために、これらの意見を参考にしてみてくださいね。
獣医師 中川恭子